ストレスが原因の過敏性腸症候群の対処法

ストレスを受けるビジネスマン 過敏性腸症候群は、下痢や便秘や腹痛などの消化器症状があるにもかかわらず、検査をしても大腸や胃にはこれといった異常がながなく、これらの症状の原因となるような内臓の異常が認められない状態です。
ストレスや社会的な環境や性格などが背景となって腹痛やお腹の不快感、下痢や便秘が起こる病気です。
中枢神経と腸管神経は自律神経を介して密接に繋がっています。
脳腸相関と言って、心配事やストレスが多くて脳の状態が良くないと、大腸の状態も悪くなります。
これが過敏性腸症候群の大きな原因です。

「異常はありませんよ」と何人もの医師に言われたという人もいます。
しかし、検査では異常がないのに症状が治らないとますます不安になってしまい、そのストレスが悪化の原因となっていたケースもあります。
下痢や腹痛の原因が過敏性腸症候群だと判った途端に良くなった、といういケースも珍しくありません。
下痢や便秘や腹痛が主な症状ですが、一般的なお腹を壊した時とは少し違う、過敏性腸症候群も特徴もあります。
診断基準では、6ヶ月以上前から症状があり最近3か月は症状がある、となっています。

通常、何か月も下痢が続いたのでは、体重が減って見るからに痩せてくるでしょう。
しかし、過敏性腸症候群の場合は何か月も下痢が続いているのに、体重が減ったり熱が出たりすることはない、という特徴があります。
また、食あたりなどでお腹を壊してお腹が痛くなった時に、排便してもまたお腹が痛くなってなかなかトイレから出られなかったという経験は誰でも一度や二度はあるでしょう。
しかし、過敏性腸症候群の場合は、排便すると腹痛が治まります。
これも大きな特徴です。

自分自身でできる対処法としては、まずは重大な疾患ではないということを理解することが大切です。
不安な気持ちがストレスとなり、過敏性腸症候群を悪化させます。
規則正しい生活を送ることも重要です。
そして、ストレスを上手に発散させる楽しみを持つようにしましょう。
日常生活の中で、「これをやっている時は楽しい」、「これをやっている時は嫌なことを忘れられる」というものを見つけましょう。

過敏性腸症候群になりやすい人は、几帳面で真面目な人が多いという報告もあります。
神経質な人も多いようです。
性格はなかなか治らないとは思いますが、あまりにも真面目過ぎたり几帳面すぎるのは良くないということを頭の隅に置いて、適度に上手に手抜きすることも大切だという認識を持っておきましょう。

薬物療法によりストレスを緩和させよう

医療機関で行う治療は、薬物療法になります。
第一選択薬としては、ポロカルポフィルカルシウムという薬が使われます。

これは、高吸水性ポリマーと呼ばれる種類の薬です。
高吸水性ポリマーは、便秘にも下痢にも有効な薬です。
腸内の水分を保持して便秘を改善したり、便の水分を吸い取って下痢を改善します。
そして、消化管の動きを調整するマレイン酸トリメプチンという薬を使います。
まずはこれらで対処して様子を見ます。

腹痛に対しては、抗コリン薬という薬が使われます。
その他、下痢止めを使ったり、便秘には、酸化マグネシウムを使うこともあります。
酸化マグネシウムは、大腸の中に水分を移行させて便を柔らかく膨らませて、その刺激で便通促進効果をもたらす薬です。

ストレスが強い人や神経質な人は、抗不安薬や抗うつ薬が使われます。
抗うつ薬は脳内のセロトニンに直接作用して、セロトニンを補うことが出来ます。
セロトニンと言うのは、別名が幸せホルモンと呼ばれている物質です。
セロトニンを補うことでストレスに対処します。
感情をコントロールしているセロトニンやノルアドレナリンやドパミンなどのバランスを整えることで、抑うつ的な気分や不安を改善します。

過敏性腸症候群は、日本人の約15%に見られると推計されています。
決して珍しい病気ではありません。
上記のような症状に心当たりがある人は、悩んでいると余計に悪化させてしまいます。
まずは医療機関を受診して、重大な病気ではないことを確認しましょう。
受診する診療科は消化器内科がベターです。
そして、規則正しい生活やストレスを上手に解消するなどの自分自身でも出来る対処法を行い、薬の力も借りて、症状をコントロールしましょう。